日比谷高校 塾対象説明会 2017
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校長挨拶
グローバルリーダーを育成。教養の土台をつくるために2年次終了まで文理分けはしない。豊かな人間性を育むために行事を充実させている。
平成29年入学者選抜の結果概要
推薦入試について
推薦入試で小論文の配点を150点から250点にした。小論文の出来具合が合否を分けた。集団討論個人面接の配点は300点から200点に。個人面接は先生:生徒=1:2。推薦入試は通知表がオール5の生徒で定員を超える。内申点では差がつかない。
一般入試について
一般入試(2/24実施)は欠席率が下がっている。学芸大附属高の内部進学者試験(学芸大附属小金井中、学芸大附属世田谷中、学芸大附属竹早中から学芸大附属高へ進学するための試験)は2/13に実施していたが、今年から1/7に変更になった。その影響があって日比谷高の一般入試欠席率が下がったのではないか。女子の増加が目立つ。理社の平均点が上がった。内申点が高い生徒は筆記試験の得点も高い。学校の勉強にしっかり取り組んで試験に臨んでほしい。今年まで筆記試験は、英数国(リスニングを除く)は進学指導重点校(日比谷高、戸山高、西高、八王子東高、国立高、立川高)グループ作問による共通問題で各教科一部を日比谷高自校作成問題に差し替え、理社とリスニングは都立高校共通問題だったが、来年から入試問題はすべて自校作成になる。
| 性別 | 国語 | 数学 | 英語 | 社会 | 理科 | 3教科 | 5教科 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 男子 | 71.8 | 64.7 | 74.7 | 88.8 | 87.7 | 211.2 | 387.7 |
| 女子 | 74.0 | 57.6 | 76.5 | 86.1 | 84.4 | 208.1 | 378.7 |
| 全体 | 72.8 | 61.5 | 75.5 | 87.6 | 86.2 | 209.8 | 383.6 |
平成29年グループ作成入試問題 ねらいと結果
国語科
受験の結果から見ると、選択問題は鍛えられている印象があるが、記述で手こずっている。作文で本文理解を踏まえて自分の意見をまとめる問題が出題されたが、本文理解の段階で早とちりしている。また、他の記述問題も部分点しか取れない生徒が多い。傍線の周囲をまとめるだけではなく、出題意図を読み取って書いてほしい。大問5の古文だが、機械的にこなしている生徒が多い。古文とはいえ読み取りは現国と同じ。出題意図を読み取って確認作業をしていきながら読んでほしい。12月の入試相談会で速く読むにはという質問を受けるが、早く読むには記述力が必要。解きっ放しにしない。復習が必要。急がば回れ。筆者の論の展開を考えながら読む。要約力を身につけてほしい。100~200字で筆者が言いたいことをまとめる。この力は英数にも必要になってくる。
数学科
1小問集合、2関数、3平面、4空間。2関数と3平面の小問(3)を難しめに作成した。大問4にたどり着けないことをなくすよう勉強してほしい。小問(2)の記述は小問(3)より易しい。記述の部分点が大事なので飛ばさないでほしい。
大問1の正答率は8割強。小問(5)の作図で勘違いが多い。A′を取るところでミスをしている。
大問2の正答率は6割。昨年より1割高い。小問(1)は易しい。2点BCを通る直線の式を求めよと問われているのにACを通る勅撰の式を求めた者がいた。小問(2)の記述は難しい。小問(3)は正答率を6割と予想して作問したが、結果は4割弱の正答率だった。小問(2)が難しいからと言って小問(3)をあきらめるのはもったいない。
大問4の正答率は4割強。昨年に比べ15%正答率が上がった。毎年時間切れで解けないものが多い。小問(1)の正答率は7割。小問(2)の記述の正答率は46%。昨年より3割正答率はアップした。面積比を辺の比と間違えた者がいた。小問(3)の正答率は8割。500名中40名はできた。立体を切ったときのイメージが中学で身に付いていると入試に役立つ。
教科書レベルの知識を確実に身につける。計算には速さと正確さが求められる。大問1の小問(1)の正答率は90%。100%ではない。出来る子でもミスをする。記述問題は配点が高く部分点も付く。証明問題を通して書く力を身につけてほしい。解きっ放しにしない。模擬試験の解き直しをすることが大切。
英語科
オールイングリッシュに耐えられるだけための初歩的な力がついているかどうかを測りたい。高度なことはいらない。難しい語彙、構文はいらない。英文は飛ばし読みをしないで全部読んでほしい。ちゃんと理解しているか。長い英文を読む訓練をしてほしい。
受験生は都作成のリスニングは全部できている。大問1と大問2はグループ作成問題だが全部できている。大問3が日比谷独自の問題。記述で差がついた。小問(8)が今までとは若干違う問題。自分の考えを持つ。違う人の意見を聞き、客観的に判断できる。自分と他者の違いを英語で表現できる力が必要。小問(8)の配点は12点。正答率は3割弱。自分の意見は書けるが、もう一つの自分の意見に対して予想される反論が書けない。あらかじめ用意したものは書いてほしくない。何の話を読んだのか、一言でいうと何かということを日比谷の授業でも行っている。全体を踏まえて要約。出題者の意図を読み取ってほしい。
大問3(日比谷独自作成問題)の小問(1)は発音問題。大問3の中でこの1題だけ基本。正答率は8割近い。あの問題で2割間違えるものがいたことはショック。みんな出来て当たり前。音読の重要性を見直してほしい。試験時間内に長文が読み終わらない人に対してスキャニング(拾い読み。先に本文ではなく問題文を読み、探すべき情報を考えること)・スキミング(斜め読み。大意をつかむために素早く全体を読むテクニック)はだめ。音読のスピードを上げてほしい。そうすれば自ずと読むスピードも上がる。音読を強く勧める。日比谷の授業は4技能型で全て英語。新入生は仮定法や比較は知っている。しかしオールイングリッシュの授業にショックを受ける。難しい構文を知るよりも基本を使えるようにしてほしい。高1・2でケンブリッジ英検を1年1回受けさせている。
学校概要 大学合格状況(教務部)
校内行事について
予習の徹底。家庭学習時間は学年+2時間。難関大の添削指導はどの教員でも対応可能。週末課題の徹底。解き直しの徹底。補習指導。土曜講習。夏期講習は1講座につき原則月曜から金曜の5日間。1コマ90分1日4コマ。自習勉強400時間マラソン(3学年)。総合学習(講演会)ではレポートも提出させる。定期考査、校内模試は7月ベネッセ、9月駿台、1月学研ハイレベルなど年11回。校内3大行事(体育大会・合唱祭・星陵祭)に限らず、学校行事が充実している。進学指導検討会では全員で経年比較、他校比較をして改善を図る。拡大進路指導部会。学部・学科説明会。進路希望調査。生徒個人面談は年4回。保護者会は年2~4回。講演会。ケース会議は3年12月に実施。
進学実績について
2年次終了まで文理分けはしない。苦手科目でも最後まで履修させる(教養主義)。100分授業は集中させる良い機会。基本事項を充実させている。難関国立4大学(東京大・京都大・一橋大・東京工業大)、医学部の合格率が上がった。特進クラスは作らない。後から伸びる生徒もいる。周りが自分の才能に気付かせてくれる。自分で考えさせる。メンタル面のケアもしている。
推薦について
内申点がオール5でないとエントリー出来ない。面接では差がつかない。小論で差がつく。ポイントを取りにいく小論文は内容がブレている。推薦で受かるのは奇跡に近い。本当に厳しい試験。
入試問題について
来年度からは日比谷らしい問題が出せる。簡単にはならない。日比谷を受験する生徒の学力が年々上がっている。作問にも気合が入る。学校の地理のテストで50点平均を予想して作問しても80点取ってくる。作問する側としては負けないぞという気持ちになる。
併願校について
塾の先生方から、「開成・慶女などの難関校を蹴って日比谷に進学する生徒の割合を知りたい」という質問があったのでそれにお答えすると、100%を越えている。昨年は70%だった。昨年、地理の先生が大学受験担当だったときに頑張りすぎて良い結果(平成28年度東大合格者数53名)が出た。塾では宝石のような生徒でも日比谷では普通。
「なぜ日比谷が選ばれるのか」という質問にお答えすると、中高一貫校とは違い、日比谷ならスタートが一緒でハンデがないと考えるからではないか。今年の日比谷の東大合格者数は45名。学芸大附属の東大合格者は46名。1名しか違わなければ日比谷でいいやと考えるのではないか。SSH(スーパーサイエンスハイスクール)に認定されているが、3期連続はめったにない。見込まれているからこそいろんな話が来る。グローバル10に指定されニュージーランドや韓国の高校と姉妹校提携をしている。海外派遣もある。チャンスが多い。行事に魅せられて日比谷を選ぶのではないか。先生たちがやるべきことをきちんとやっている。他校に赴任したこともあるので他校の実情も知っているが、こんなに先生たちが頑張っているのは日比谷ならでは。他校も日比谷と同じようなことをやればいいと思う。
